これまで、Vectorwork の Fundamentals シリーズを使用されてこられた事業主様の中には、Windows 7 のサポート終了に伴い、
パソコンの買い替えと同時に
「Vectorworks 2015」以前のバージョンで業務をしていて、サポート期間が過ぎているため
2020年度版を新規購入となる方が陥る問題があるだろうと懸念しています。
昨年、2019年度版の発売後に、記事を書きました。→(過去の記事はこちら)
初心者の方で、評価版で操作性を確認された後、2020年度版の Vectorworks を新規購入される方も要注意です。
長くなりますので、とにかく先に
“Vectorworks 2020新規購入の場合 どれを選ぶべきか”の結論を先に読みたい方は→こちら。
一体、何が問題かと言いますと、インテリアや建築のお仕事の図面に不可欠な「壁ツール」と「ドアツール」「窓ツール」が
2019年以降のバージョンアップから、基本製品と位置づけられている「Fundamentals」シリーズには搭載されなくなった、という問題です。
以下に、シリーズ毎の「ツールセット」の比較を挙げます。
《シリーズ毎のツールセットの比較》
「Vectorworks Fundamentals 2018」で存在していた「壁ツール」「ドア」「窓」が
「Vectorworks Fundamentals 2020」には無い事が分かります。
ー Vectorworks Fundamentais 2018 のツールセット ー
建物
壁ツール
ドアツール
窓ツール
左の図は、2018年度版のVectorworks Fundamentals の『ツールセット』をカスタマイズしたものです。
デフォルトのツールセットは、この下の画像になります。
上記に出てきました「壁ツール」の他に、「ドア」「窓」が標準装備されているのが分かるかと思います。
このツールセットをカスタマイズする方法は動画があります→こちら
左の図は、2018年度版のVectorworks Fundamentals の『ツールセット』のデフォルトの状態です。
上記の画像は、カスタマイズしておりますので、通常はこの状態になります。
先に出てきました「壁ツール」が標準装備されています。
ー Vectorworks Fundamentais 2020 のツールセット ー
左の図は、2020年度版の Vectorworks Fundamentals の『ツールセット』です。
家のマークの「建物」がありません ( ゚Д゚)!
従って、「壁ツール」もありません。
ー Vectorworks Architect 2020 のツールセット ー
建物
壁ツール
ドアツール
窓ツール
左の図は、2020年度版の Vectorworks Architect の『ツールセット』です。
家のマークの「建物」があります。
従って、「壁ツール」も「ドア」「窓」もあります。
さて、
Vectorworksといっても、シリーズが5種類ある、というのも分かり難い所でしょう。
①Designer
②Architect
③Landmark
④Spotlight
⑤Fundamentals
お仕事内容に応じて、種類を選ぶというところなのですが・・・。
評価版をダウンロードされ、動作環境を試された方は、
5種類あるVectorworks シリーズの中でも、シリーズ最上位の「Vectorworks Designer 2020」がダウンロードできます(2020年5月1日時点)。
シリーズ最上位のものですので、5シリーズが全部盛りです。
お値段も最上位です。
全てのユーザーに、「Vectorworks Designer 2020」が必要か?といえば、正直なところ、必要はありません。
私が講師業と並行して、お手伝いに行っている会社の業務(商業施設の意匠検討業務ですので、設計業務はしていないので、
全ての方に通用する例ではありません。)では、検討パース作成、3Dのオブジェクトをデザインしてそれを3D化、
平面図、立面図など作成しております。
その会社のパソコンにインストールされているのは「Vectorworks Fundamentals 2017」で、こちらで問題なく作業できています。
勿論、運用費用に余裕があるのであれば 「 Vectorworks Designer 2020」 でも宜しいかと思います。
しかし、私自身もそうですが、個人事業主の方や、多くのケースでは、色々な事情から
「 Vectorworks Designer 2020」以外を選択するという事になるかと思います。
今後、バージョンアップをされる企業様でサポートセンター等の外注に頼らず、
社員さん自らがアプリケーションの管理をされているお立場となりますと、
実務の内情などはあまり分からない上長の方に承認のハンコをもらわなければいけないというシチュエーションもあるかと思います。
そうなったときに、その上長さんはネットで販売価格を確認した上で、こう仰るでしょう。
「キミ、なんで今までのと違う名前の値段の高い方が必要なの?」と渋られ、その理由とやらを紙面でよこしなさい、と。
そういう方の為にも、多くの方に快く使って頂きたいという想いもあり、長くなりますが、書かせて頂きたいと思います。
<“ Vectorworks 2020 新規購入の場合 どれを選ぶべきか ” の経緯 >
レクタのレッスンにお申込み下さる受講生様のお仕事の分野が、内装関係の方がほとんどです。
インテリア関係以外ですと、イベントの設計施工会社のデザイナー様、ステージセットのデザイナー様、
店舗デザインのデザイナー様、JW-CADからの乗り換え(設備系設計)希望の受講生様もいらっしゃいます。
ですので、2018年まで、でしたら、
『Fundamentals』で良いですよ~♪
とお伝えできました。
そう・・・“ 2年前までは ”・・・・。
お仕事内容にもよりますので、一概には言えませんが、
①図面を書く(CADとして使う)
②立体にして検討する(早く、そして多くのケースを想定する検討用のCGを作成する)
という目的で Vectorworks を使うのであれば、Fundamentals で充分でした。
でした、ですよ。
購入方法も、国内販売元からではなく、納期の早い○マ○ンや、量販店で購入(ポイント還元あるし♪)してしまう事も多いと思います。
インストールして、いざ作業!
↓
あ?れ?
メニューを隅から隅まで探してみても、パレットを全部見ても、・・・・無い。
これまであった「壁ツール」はどこへ????
↓
慌ててサポートセンターに電話。
↓
やっとのこと繋がったら、この事実が判明。
↓
『 追加モジュール』とやらの購入を告げられる。
11万超の追加費用がかかると・・・
↓
悶々とした想いで作業が中断。
平面図などの図面を書くという、『CADとしての側面』。
そして、その平面図のデータを使って3D検討ができてしまうという『CG作成ができるというレンダーとしての側面』。
これらの両方の側面を持つVectorworksだからこそ、3DCG-CADとも言われている訳です。
それには、2次元図形の要素と3次元の立体図形の要素を兼ね備える『ハイブリッド図形』を使用して作図できるという点が、
Vectorworksの強みであります。
従いまして、図面作成に「壁」や「ドア」「窓」が必要な方は、
2020年の今年は「Vectorworks Architect 2020」を購入なさってください。
《「壁ツール」と「ドア」で作図したハイブリッド図面の例 》
「壁ツール」で作図した「壁」は、2次元の属性と、3次元の高さの情報を併せ持ちます。
こうした図形を、Vectorworks では『ハイブリッド図形』と言います。
ハイブリッド図形は、「壁」の他にも「柱」「床」「ドア」「窓」などがあります。
「壁」のデータは、パース制作時に質感(テクスチャー)の設定が可能です。
この「壁」に「ドア」や「窓」を挿入できます。
「ドア」や「窓」は2次元の属性と立体(3次元)の情報を併せ持ったデータ(ハイブリッド図形)で、
形状・サイズの変更が「オブジェクト情報パレット」から簡単に変更可能です。
「壁ツールの壁」と「ドア」「窓」などのハイブリッド図形を組み合わせて作図していくと、平面図と立体データを同時に作成している事になります。
素早く躯体の作成ができ、デザインしているプランを計画中の早い段階から平面的にも立体的にも検討できます。